アクセサリーの鋳造について
工芸という中に、金属工芸という分野があります。
その中で、
アクセサリーを作るときの技術に
◆鋳金(ちゅうきん)
溶かした金属を型に流して形作る
◆鍛金(たんきん)
金属をたたいて形作る
◆彫金(ちょうきん)
金属の板に模様を彫る
と言われるものがあります。
今では、彫金というと金属で
アクセサリーを作ることを言いますが、
元々は、金属に模様を彫ることです。
まずロウ(蝋)で原型と言われるもとになる形を作ります。
これは、ソフトワックスと言って、
70℃前後で柔らかくなります。
作りたい形をそのまま作ります。
他にもハードワックスと言って、
ろうそくのロウぐらい固いもので、
融点が約105℃~のものもあります。
カチッとした固い感じに仕上げたいときに使います。
デザインによって使い分けをします。
ゴム台に立てます。
固まったら、ゴム台を外します。
半円のへこみができます。地金が溶けて入るときの大事なへこみです。
鋳造するものの地金の重さは、
ワックスの重さから計算して
必要な地金の分量を用意しますが、
湯だまりやボタンという分があり、
実際の量よりも余分に用意します。
金属が溶けて型に入り、
固まっていくときに収縮するので、
余分に地金が必要になるのと、
巣が入りにくくするために
余分が必要なのです。
その余分が半円の部分にボタンとして残ります。
電気釜に入れます。
最初はゆっくりと温度を上げていきます。
早く上げすぎるとワックスが沸騰し、作品の表面(鋳肌)が荒れてしまいます。
鋳造するものの大きさや、量によって変わりますが、3時間ほど焼成します。
温度を上げて、鋳造リングがオレンジ色になってから、遠心鋳造機にセットします。
セットしている間にちょうどいい温度になります。
手前にるつぼがあり、そこで地金を溶かします。
オレンジ色になり、塊が完全に解けたら、ストッパーを外します。
するとくるくると回り、
遠心力で溶けた地金が小さな穴から、
複雑な型の中に入っていきます。
最初の一回りで、すべて地金が入ります。
一瞬です。
鋳造したものは、熱いうちに水の中に入れます。
石膏が壊れて中身が出てきます。
このように、型は壊れてしまい、一度しか使えません。
これはシルバーですが、このように
取り出したときは、酸化膜で真っ黒です。
それを酸に入れ、きれいにします。
先ほどの物とは違う写真ですが、
シルバーを酸で洗い、まだ磨いていない状態は、このように真っ白でとてもきれいです。
これに金具を付けたりし、
火をかけた場合は、
また酸で洗い、それを磨けば、
いつもの見慣れたシルバーの色になるのです。